「ノートルダムの鐘」ってお話知ってますか？その醜い容姿から、ノートルダム大聖堂に閉じこめられて暮らす鐘つき男カジモドと、美しいジプシーの踊り子エスメラルダの悲しい恋の物語です。このカジモド、実は「くる病」であったといわれています。「くる病」とは、骨が変形してしまう病気ですが、実は先天的な異常ではありません。ビタミンＤ欠乏症という、一種の栄養不足で起こる、防げる病気なんですね。このビタミンＤ、最近不妊治療分野で大注目の成分ですです。
ビタミンＤって？
正常な骨と歯、それに筋肉と神経の働きを助けるビタミンです。キノコや魚などに多く含まれます。そして、体内に吸収されたビタミンＤは、日光にあたることで皮膚で活性化するという変わった特徴があります。そのため、キノコや魚をよく食べ、わりと日照時間も長めの日本では昔からあまり不足しないビタミンでした。逆に、曇り空が多く魚食をあまりしない中世ヨーロッパでは、ビタミンＤ欠乏症による「くる病」は頻度の高い病気だったようです。
ビタミンＤと不妊の関係って？
ビタミンＤ濃度が高いほどあらゆる不妊治療の成績がよいことが知られています。
- ビタミンＤ濃度が高いほど、着床率が上がる
- ビタミンＤ濃度が高いほど、習慣流産が減る
- ビタミンＤ濃度が高いほど、ＡＭＨが上がる
- ビタミンＤ濃度が高いほど、ＰＣＯＳ（多嚢胞性卵巣症候群）で排卵率が上がる
恐ろしいほどに良いこと尽くしのビタミンＤ。ＡＭＨなんて何しても上がらないって聞いていたのに！！これはもう妊活中には必須のビタミンでしょう。
ビタミンＤの最適な濃度って？
妊娠を目指す方、妊婦さんにとって、30 ng/mL（＝75 nmol/L）以上が最適です。病院で、25-OH ビタミンD濃度という検査項目で簡単に測定可能です。自費になってしまいますが数千円でできますので、調べてみる価値はありますね！
注意しないといけないのが、ビタミンＤは脂溶性ビタミンといって、取りすぎても尿に排泄されず体内に蓄積され過剰症になってしまうこと。吐き気が増えたり、内臓にカルシウムが沈着してしまうなどのビタミンＤ過剰症を引き起こします。では、どれくらい摂取したらいいのでしょうか？
ビタミンＤってどれくらい摂取したらいいの？
正確には、体内のビタミンＤ濃度30 ng/mL以上を目指せばよいのですが、だいたい１日あたりビタミンＤ 25-50 μg （1000-2000 IU）が目安です。実は、日本人でも普通の生活では１日あたり平均7.0 μg （280 IU）しか摂取できていないことが調査でわかっています。これ実は、ちょうど「これだけとっていればまずビタミンＤ欠乏症にはならないでしょう」という、摂取目安量と一致します。日本人はやっぱりしっかりビタミンＤをとれているようです。でもそれは妊娠を目指していない人たちの話！わたしたち、妊活中の人には全然足りていない！！一方、過剰摂取は１日当たり100 μg（4000 IU）ですから、大分幅があります。妊活中は、普通の食生活＋サプリでしっかり補うのが良さそうですね。
なんとか自然な食事からとりたいという気持ちも分かります。しかしですね、ビタミンＤが一番多く含まれているといわれる干しシイタケ、 しかも、どんこ（肉厚でおいしいですよね～お高いですけど）クラスの大きめのやつで、40枚食べる必要があります。毎日なんてとても無理！！魚だと、ダントツでメカジキもビタミンＤ豊富ですが、だいたい300g (切り身3切れ）でやっと目標量。朝昼晩の三食メカジキのソテーか・・・ちょっと嫌ですねえ。
ビタミンＤはおとなしくサプリの力に頼った方が良さそうです。けれど妊活用サプリには案外、ビタミンＤは数μgしか入っていません。保田圭さんＣＭの
オールインワン妊活サプリ【makana（マカナ）】
で4.1 μg。いいサプリですがビタミンＤはこれだけでは足りないのですよ！！
妊活用のサプリ＋ビタミンＤ単体サプリが必要です。ご存知ネイチャーメイドは１粒で1000 IUという分かりやすさが魅力。毎日１～２粒を目安にお飲みください。メカジキを食べたなーっていう日は１粒にするとかでしょうか。４粒で過剰量ですから、飲みすぎには気を付けてくださいね。そして何より安い！90粒入りですから、夫婦で飲んでも２か月弱もつ！
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ビタミンＤって男性不妊にもいいの？
はい、ビタミンＤ濃度が十分（30ng/mL以上）あることで、運動精子数が増えることが分かっています。ビタミンＤサプリは旦那さんと一緒に飲むのがいいですね。
着床不全の方はもちろん、安いし飲んで悪いことのないビタミンＤですから、最近は全員にすすめるようにしています。