- 体外受精で胚移植するときの方法は?
- 体外受精の胚移植、自然周期って?
- 体外受精の胚移植、誘発周期って?
- 体外受精の胚移植、ホルモン補充周期って?
- 体外受精の胚移植、妊娠率が一番高い周期は?
- 体外受精の胚移植、食べた方がいいものは?ビタミンDっていいの?
- 体外受精の胚移植って痛いの?血は出る?
- 体外受精の胚移植のあとの日常生活は?
体外受精で肺移植するときの方法は?
自然周期、誘発周期、ホルモン補充周期があります。
自然では、卵と、着床する場所である子宮内膜は、足並みそろえて育っていきます。けれど、体外受精が自然と大きく違うのは、卵を体の外で受精させて胚を作っていること。つまり、子宮内膜と足並みがそろっていないのです。
花と季節の関係をちょっと考えてみましょう。花はそれぞれ咲く季節が違います。桜は春だし、ひまわりは夏、コスモスは秋だし、椿は冬ですよね。雪が降っている時期にひまわりの種を植えますか?植えませんよね。だって、それじゃ絶対咲かないのが分かっているから。誰だって、ひまわりにぴったりの季節、夏を待ってから植えます。まさに、胚と子宮内膜も、ひまわりと夏の関係と同じことが言えます。
つまり、体の外で育てた胚は、その胚の年齢(日齢)と同じ子宮内膜に移植しないと着床しないのです。分割胚(受精から3日目)なら排卵から3日目の子宮内膜に、胚盤胞(受精から5日目)なら排卵から5日目の子宮内膜に移植します。
自然に排卵してちょうどいい日数になるまで待ってやって移植することを、自然周期といいます。誘発剤を使って排卵させたなら、誘発周期といいます。排卵させずに、人工的にホルモン剤を使って子宮内膜だけを排卵後と同じ状態にしてやって移植することを、ホルモン補充周期といいます。
体外受精の胚移植、自然周期って?
薬を使わずに、自然の排卵のあとに子宮内膜が移植する胚と同じ日齢になるのを待つ移植周期です。
メリットとしては、薬を使わずに済むこと。「薬の時間すぎてる!!」というウッカリがそもそも起きないのはストレスがありません。排卵後はより妊娠率を高めるために、黄体補充といってプロゲステロン膣剤を併用することもあります。
デメリットとしては、移植の日がコントロールできないこと。排卵が自然に起こってしまうので、体に合わせてスケジュールを立てないといけません。少し排卵が遅れれば、それだけ移植の日も問答無用で遅れます。また、自然に排卵が起こりにくい方やたまたま無排卵周期になってしまう方もいるため、移植キャンセル率は高めです。
体外受精の胚移植、誘発周期って?
少しの排卵誘発剤を使って、多少、過排卵にさせたあとに子宮内膜が移植する胚と同じ日齢になるのを待つ移植周期です
メリットは、過排卵のおかげで黄体補充が必要ないことが多いことです。また、病院によっては、せっかく育った卵胞を無駄にしないように採卵も同じ周期でやってくれることもあります。
デメリットは、排卵誘発剤を注射しないといけないことです。「注射が苦手!!」という方には向きませんね。スケジュールの調整は、自然周期よりややましといったところで、完全には調整しにくいです。
体外受精の胚移植、ホルモン補充周期って?
月経中からエストロゲンを使って、排卵を完全に抑制しながら子宮内膜だけを単独で育て、ちょうどいい厚みになったところで、プロゲステロンを併用し、あたかも排卵後と同じ状態を真似てやる移植周期です。
メリットは、移植の日をコントロールできることです。
デメリットは、注射ではないにせよ薬を使うので、毎日投与しないといけないということです。
体外受精の胚移植、妊娠率が一番高い周期は?
世界的な大きな研究で、どの方法の移植周期でも妊娠率は変わらないないとされています。ただし、自然周期ではうまく排卵しにくいので移植できないとか、誘発周期では卵巣過剰刺激症候群になってしまってうまくいかないとかその人によって違いはあります。科学的・統計的に妊娠率が差がないというのと、あなたにとって合わないというのは、まったく別の話で、また、どちらも同時に起こりえます。どの方法の移植周期でも妊娠率は変わらないはずのに、自然周期の時ばかり妊娠する人、ホルモン補充周期の方がうまくいく人、どちらもいますし、それはおかしなことではないのです。なので、2回程度、良好な胚移植をしたのにうまくいかないときは方法を変えてみるのも一つの手です。
体外受精の胚移植、食べた方がいいものは?ビタミンDっていいの?
いつも通りで結構です。
「それでも何か妊娠率を上げられるなら何かしたいの!」、その気持ち分かります。2018年にビタミンDが体外受精と顕微授精での胚移植の妊娠率を上げるという論文が出ました。ビタミンDはキノコに多く含まれる成分ですが、ほかにも、イワシやサーモンなどの魚、ヨーグルトや牛乳にも含まれています。
厚生労働省の基準では1日のビタミンD目標摂取値は5-8μg(200-320単位)です。しかし、妊娠を望む方の場合、妊娠率向上の効果を得るためには、それよりずっと多い、ビタミンDを1日当たり25μg(1000単位)は必要だろうといわれています。では多くとればとるだけ良いかというと、ビタミンDは、過剰症になりえるビタミンです。1日当たり50μg(2000単位)を超える日が何週間も続くと過剰症の危険性がでてきます。数日大幅に超えただけとか、ぎりぎりの数値がしばらく続いたとしても必ず過剰症になるわけではないので、あまり神経質にならなくてよいですが、サプリとしてビタミンDを摂取する場合は、1日あたり25μg(1000単位)にしておくのが安全です。
ちなみに、食品だけでは必要なビタミンDは取りきれるでしょうか?キノコでビタミンDを取ろうとした場合、エリンギ1本でたったの0.075μg(3単位)しかとれません。さすがに毎日エリンギ300本は食べられませんね。楽にとれそうなのは、サーモンです。サーモン一切れ(刺身じゃなくて塩焼きにする大きさのやつです)で10-20μg(400-800単位)ですから、だいたいOKですね。けれど、毎日サーモンを一切れ以上食べていますか?もしそういう方がいらっしゃる場合、ビタミンDサプリは必要ないかもしれません。「どうしよう!サーモンの塩焼きを今日は3切れも食べちゃった!ビタミンD過剰症が心配」と言う方もいます。安心してください。たった数日の過剰摂取ではなんともなりません。毎日、サーモンの塩焼き3切れはやめましょうね、たぶん塩分もとりすぎですし。
ビタミンDは、体の中にどれくらい貯まっているか(血中濃度)を調べられるビタミンです。妊娠を望む場合、ビタミンDが30-50ng/mlの範囲にあることが望ましいようです。しかし、頻繁に採血するなどはおすすめしません。人間の体は私達が想像する以上に素晴らしく作られており、多少取りすぎ、取らなすぎがあってもうまいこと帳尻を合わせる仕組みになっています。サプリで25μg(1000単位)+普通の食事で、ビタミンDについては心配要らずなはずですよ。
「どのサプリがいいの?」とよく聞かれますが、25μg(1000単位)とりやすいものならどれでも一緒です。おなじみネイチャーメイドさんがきっちり1粒1000単位かつ3か月分1000円台(安いところだと700円台・・・やっす!)とダントツ。めちゃくちゃ小粒で飲みやすいですし。
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体外受精の胚移植って痛いの?血は出る?
ほぼすべての人が痛くないです。出血もほとんどないです。けれど、子宮頸管が通りにくかったりすると、痛い人もいますね。
体外受精の胚移植のあとの日常生活は?
かかりつけの先生の指示が最優先ですが、何も言われていない場合、普通で大丈夫で、お風呂もOKです。もし出血があるなら性交渉は1-2日やめた方がいいかも。運動も、フルマラソンとか競泳とかはあえて何も翌日にしなくてもいいんじゃないかと思いますが(妊娠率を下げるとは言われていないですが、気持ち的に)、ヨガとかジョギングはなんの影響もないです。