じょいです。総合病院で不妊治療・手術(癌も良性も)やってます。産婦人科医になって早○○年・・・急にブログなんて始めたのには理由があります。

思いがけず直面した不妊症でした。

自分も何かしらの病気になっていずれ患者になるのだろうとは思っていましたが、思ったより早くその機会が訪れてしまいました。

まぁそうは言っても、現在は6カップルに1カップルが不妊症と言われている時代です。日本産婦人科学会によると、体外受精で生まれる子の割合は2018年では18人にひとりだそうです。不妊症自体、もはやそんなに珍しいものでもないのですが、やっぱりショックでしたねぇ。なったものはしかたないことなので、案外そこはドライにいけました。自分がそもそも医師ですし、不妊症なら不妊症で検査や治療については知識があったので、変に不安がることなく済んだのかもしれません。

 

しかし!予想外なことが起こります。

 

「どうして私が検索魔に!」

なんと、知識はあるはずの私が「検索魔」になってしまったんですね。産婦人科医なのに!しかも不妊治療の診察してるのに!なぜかブログやまとめサイトを検索しまくるようになりました。

なんでなんでしょうね。

ひとつは、いくら医師とはいえ、自分のことになるとやっぱり気になってしまうから。

そしてもうひとつは、ヒマだから。不妊治療の診察の待ち時間って結構あるんですよねえ(職場ではなく自宅の近くの病院に通っていた)。先生に会えるまでも待つし、内診も待つし、採血も待つし、結果も待つ。案外やることないんですよ。

病院やクリニックによっては待合室に雑誌が置いてあったりしますけど、「妊娠体質に変わる栄養セラピー」とか「赤ちゃんがほしい!」とかいったやつをなんとなく手に取りづらい・・・。

もちろん周りはみんな不妊症で同じ気持ちの人たちなのだから、気にする方がおかしいんでしょうけど、待合室の席を立ってラックから雑誌を取ってというのが億劫。わかりますかねこの気持ち。

で、みんな何してるかと言うと、スマホを見ています。

夫婦で来ている人以外、全員スマホ見てます。

大事な卵胞の育ち具合だとか、胚盤胞のグレードだとか、家でフライングした妊娠検査薬の判定線の濃さだとか、気になることは山ほどあるので、思わず検索しちゃうんですよね。

「この人、私より低いAMHで卵が私より取れてる・・・!」、「この人、私が移植したやつより低いグレードなのに妊娠できてる・・・!」とかもう気になって気になってしょうがないわけです。産婦人科医なのに!

そして世にはびこるまとめサイトがまたすごい煽ってくるんですよ!

「これで妊娠した!先輩ママたちの授かりアイテム」とか「不妊の原因はこれだった!」とか。

そこで私は思いました。

 

 

「信頼できる情報源を!」

「検索魔になるのはしかたない!それなら私が医学的知識に基づいた信頼できる情報を発信してやろうじゃないか!」と!

診察で、患者さんが聞きたくても聞けないちょっとした不安とか悩みに、今の私なら答えられる気がする。

 

 

だって、私もあなたと同じ患者なんだもの。